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UNICOLART取材vol.2『げんきになあれ』
2017.05.11

UNICOLART取材vol.2『げんきになあれ』

UNICOLARTの商品たちは、「チャレンジド」(障がいのある人を、神様から挑戦するチャンスを与えられた人としてあらわすことば)の可能性や能力に魅了され、だれもがお互いの個性を認め合い、伸ばし合う社会を目指し、「つながる」ひとつの方法として企画されています。障がいがある人も、ない人も、みんなが個性を生かし、ともに生きていくために。
商品の柄は、チャレンジドアーティストにより描かれたもの。企画された商品には「UNICOLART基金」が付いており、集まった基金を障がい者アート支援団体に寄付させていただき、障がいのある人の支援につなげています。

今回の出会いはmaiさんです。maiさんが描いた『げんきになあれ』をもとに、haco!ではバッグとカチューム、ワンピースとトップス(3月中旬発売予定)を企画しました。
げんきになあれ

先輩スタッフassyからこれまでの『UNICOLART』の活動について聞き、どんな人が、どんなところで作品を生み出しているのか気になったわたくしスタッフtama。実は取材が決まってからは、事前にいろんな注意事項を伺っていたこともあり、うまくインタビューできるのかずっと不安でした。しかし当日出会えたのは、そんな不安も吹き飛ばしてくれるような優しい心と笑顔の持ち主でした。

 


maiさんが通っている障害者就労支援施設『ぐうですぐう(※1)』さんの小さな部屋におじゃますると、照れてお母さんの胸に顔をうずめながらも、にこにこ笑うmaiさんがいらっしゃいました。その素敵な笑顔に、スタッフたちもつられて笑顔に! 日当たりも良くあたたかな部屋の中、和やかな雰囲気で取材が始まりました。

まずはmaiさんの作品を、お母さんに説明していただきながらたくさん見せていただきます。お母さんが思い出せないことに補足をしたり、自分の携帯で撮った写真を見せてくれたり、取材にとても協力的なmaiさん。普段はお母さんとmaiさんしか入らない部屋に大人数で押しかけたのに、たくさんの気遣いをいただきました。

綺麗な糸やビーズで作られた手芸作品や、様々な画材を使って描かれた絵画作品。はたまた陶芸作品など、本当にたくさんの種類の作品が次から次へと出てきます。その日その時に浮かんだものを作るので、何を描くか、どんな画材を使って描くのかも(あるいは、絵ではなく手芸や陶芸になるのかも)決めておらず、日によって違うのだそうです。作品になるのは、maiさんが日々感じていることや毎日の体験。集中して作り終えた後に、その作品がどうして生まれたのか言葉で説明されるのだそうです。

手芸作品を見せていただいている様子。それぞれの作品に詩のようなmaiさんのことばがついていて、どんな体験からこの作品が生まれたのかをうかがい知ることができました。スタンプもmaiさんの手作りです。


動物や自然を愛する気持ちが伝わってくる作品たち。ほぼ毎日自然公園で散歩をされていて、全国各地の動物園にいくことも多いのだそう。思わずスタッフ一同、わあ!素敵!かわいい!と声を上げてしまう、優しい色遣いです。

上野動物園で買ったという、いつもmaiさんが一緒に寝ているライオンのぬいぐるみ「ヘイ君」の絵や、maiさんのお家の庭に巣をかけたひよどり一家の絵。きりんの絵は、重ねて塗ったり削ったり、平面にとどまらない工夫がなされていました。

はっとする一幕も。読書が好きで、朝、新聞にも目を通すmaiさん。震災で家をなくしたひともみんな、笑顔で暮らせたら幸せだという気持ちで描いた『やさしいおうち』や、相模原施設殺傷事件が起きたときに、自分たち障害者は決して怖い存在じゃないから、差別的に見ないで、いのちを奪わないで、という思いで描いたのだという『うばわないで、こわがらないで』という作品を見せていただきました。

『やさしいおうち』からはひとを思いやるあたたかい心、『うばわないで、こわがらないで』からは切実なメッセージ。どちらもmaiさんの素直な思いが伝わってきたから、思わずじっと見つめてしまいました。
絵を描き上げるときは大体1、2日で描き終えるそうで、こちらの作品も2日で出来た絵。すごい集中力!と思うと同時に、maiさんにとっては息を吸って吐くのと同じくらい、気持ちを込めて作品を生み出すことが自然なことなのだろうな、と感じていました。

 


たくさんの作品を見せていただいた後、『げんきになあれ』のことを伺いました。
どうしてこのタイトルなんですか?と伺うと、「泣いてた」と答えるmaiさん。コミュニケーションがうまく取れないとき、心の中に不安がたまって爆発して泣いてしまうことがあるそうで、その後に生まれた絵なのだそうです。
上手くいかないことや、悲しくてやりきれない気持ち。どうにか解決するために、元気になるために、と生まれた『げんきになあれ』。このお洋服を着てくれた人が、身に着けることでmaiさんと同じように元気になってくれたらいいなと思っていると、教えてくれました。

トップスとワンピースの試作品をお見せしたとき。照れながらも喜んでくださったmaiさんですが、ふと「涙うつっちゃう?」と心配そうに呟いていました。泣きながら描いていた作品だから、着た人に悲しい気持ちが移ってしまうかも、と考えられたようです。しっかりmaiさんの気持ちを伝えますよ、と言いながら、とことん誰かを思いやる優しさに、心がじわじわあたたかくなりました。

 


なんと、フェリシモを利用してくださっていたというmaiさん。自分で注文した手芸キットを使い、糸や編み方などを工夫してこんな作品にすることも。しかもこのキットが、スタッフassyが関わっていた商品だったことも判明し、一同大盛り上がり!

ぐうですぐう併設「ぐうですCafé & Foods」のショップにて

真ん中にあるポケットのちょうちょ部分が、フェリシモで売っているキットです。
>>『MARUIRO』

実はmaiさん、これまで企画されてきたUNICOLARTの商品を見て、自分の絵もお洋服にしたい!」と思い、Able Art Company(※2)の募集に応募されたのだそう。「念願のお洋服になったから、(maiさんが)もうすっごい喜んで〜」と話すお母さんも嬉しそうです。UNICOLARTは次世代のアーティストの育成を支援する活動でもあるため、これはまさに“次世代のアーティスト”が生まれた瞬間だと、聞いていたスタッフたちも感無量でした。

 


絵を描いているところも見せていただきました。クレパスで色を重ねていき、みるみる猫の姿が見えてくる様子に、一同目をキラキラさせて見とれてしまいました!お母さんが明るく声をかけながら、maiさんの手も進んでいきます。一緒にこだわりの画材を揃えたり、maiさんが好きな蝶をお庭に呼ぶために花を植えたりされるというお母さん。その深い愛情も、maiさんの作品にあらわれているはず。

最後に、スタッフとmaiさん、お母さんで記念撮影!一人ずつ、maiさんとハイタッチをして部屋をあとにしました。

取材を終えたあと、いつもmaiさんを見守っているぐうですぐう職員の豊田さんと、このあと少し大変かも、というお話をしました。長い時間インタビューをさせていただき、緊張していた疲れが出たり、「うまく話せなかった、ああいえばよかった」という気持ちがわあっと爆発したりしてしまうかもしれないと。でも確かに誰だって知らない人と会うのは緊張するし、長い時間気を遣ったら疲れてしまうのは当たり前のことです。

わたしは絵が得意でないかわりに話や文章で何かを伝えて、maiさんはお話が得意でないかわりに絵や手芸作品で気持ちを伝える。どちらにも支えてくれる人がいて、どちらも誰かを支えることが出来る。誰だって得意なことを使って仕事をしたり、苦手なことは補ってもらい生活したりしています。『げんきになあれ』をはじめとする沢山の作品や、maiさんのあたたかい人柄と才能、それを支えるお母さんや施設のみなさんの優しさに触れ、そう感じました。

UNICOLARTの商品は、アートとおしゃれをきっかけに、誰もがお互いの個性を認め合い伸ばしあう社会を目指して、「つながる」ひとつの方法です。maiさんとの出会いは、これまでの活動と人とがつながった、ひとつの形であるように感じ、このつながりがもっと広がっていきますようにと、一層思いを強くしました。
staff tama

\今回お世話になったみなさま/

(※1)ぐうですぐう
maiさんが通う障害者就労支援施設。山口県の郊外で自然に囲まれ、maiさん他の障害のある人たちが芸術工芸活動、農業、お菓子作り、カフェの運営などで活躍しています。

(※2)Able Art Company
障がいのある人のアートを仕事につなげることを目的に活動する中間支援組織です。UNICOLARTの商品は、AACに所属するアーティストさんの作品を使って作られています。
>>http://www.ableartcom.jp/