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UNICOLART artist interview vol.3『RED』
2017.08.17

UNICOLART artist interview vol.3『RED』

UNICOLART

UNICOLARTの商品たちは、「チャレンジド」(障がいのある人を、神様から挑戦するチャンスを与えられた人としてあらわすことば)の可能性や能力に魅了され、だれもがお互いの個性を認め合い、伸ばし合う社会を目指し、「つながる」ひとつの方法として企画されています。
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今回の取材は、繊細な点や線で鮮やかな色面を生み出すアーティスト・そうみさんです。千葉県のそうみさんのご自宅に、vol.2のmaiさんに続き、今回もスタッフtamaと先輩スタッフassyがお邪魔してきました。


梅雨の時期にもかかわらず、ジリジリと日が照る夏日。最寄りの駅を降り、取材先のご自宅へと向かう途中の曲がり角で待ってくださっていたのは、そうみさんご本人でした。

玄関まで案内していただくと、真っ先に目に入ったのは「本日はようこそ」と書かれたガーランド! 手づくりで用意してくださったようで、さっそく心をわしづかみにされました。

ご両親も玄関で迎えてくださり、温かな雰囲気に、早くも和みぎみの先輩スタッフassy! 新人スタッフtamaは気をひきしめねば! と思いながらもニコニコが止まらない……そんな和やかな空気で取材がスタート!

ききたいことをたくさん用意してきたスタッフtama(なにせ新人なものでっ)。早速質問タイム!
「ウェブサイトで、そうみさんのプロフィールを拝見したのですが、布団の中で描いてらっしゃるってほんとですか!?」

まだ打ち解ける前なのに、勢いあまって謎度No.1の質問をぶつけてしまいました。

それでもそうみさんは優しく笑いながら、

「それは本当です。冬は寒いので布団にくるまって横になりながら描いてます。でも、最近は暑くなってきたから机で描いていて。なので今日は布団で描いている写真は撮れないですね(笑)」

と、答えてくださいました。
うらやましいワークスタイル、その名も“寝ながらスタイル”! でも、会社に机があるように、そうみさんの作品が生まれるためには布団の中が最適な場所だったんですね。


作品を見せてもらうため、そうみさんが普段制作しているお部屋へ。見て、びっくり!「こんなに細かかったんですか!?」と思わず驚きの声がこぼれます。もちろん、ちゃーんと下調べしてきたのです(新人なもので)。それでも、想像以上の細かさ!

細かい線で描くことで繊細な色のグラデーションが生まれ、それがたくさん組み合わさり、独特の風合いになっていました。

こうした作風は「学生時代に思いついた」と話すそうみさん。原宿の洋服屋に飾られていた編み物を見たことがきっかけだったそうです。確かに、編み物並みに細かい!

作品を描くときは、大量のサインペンを適当に床に並べ、そこから選んで描いていくそうです。色を選ぶのはその時の気分次第。描いている間は、頭の中は「無」なのだそう(さすがアーティスト!)。画面の左上から少しずつ小さな点を連ね、点は線となり、面となり、さまざまな模様になっていきます。
到底、なし得ない技!ひとつの作品に1カ月以上かかることも。同時並行で複数の作品を進めるそうで、左上にいろんな模様が描かれた紙を何枚も何枚も見せていただきました! その集中力に驚くと同時に、そうみさんと「描くこと」が切っても切り離せない関係であることがよくわかりました。

以前にもhaco!で、ワンピースの絵柄になった作品も見せていただきました。この作品は、6年前の東日本大震災のあとすぐに描かれたものでした。「波がおだやかになりますように」というそうみさんの祈りが、何千・何万という点の集合体となった一枚の絵。数色使われているように見えますが、たった1本のサインペンで描かれています。

\この作品がアイテムになりました!/

3.11の後に描かれた作品《無題》(左)と、今回の新作ワンピースの柄となった作品《RED》(右)。《RED》はただ色彩が面白い!と感じたところから生まれた作品だそう。


ほとんどの作品はA4サイズの画用紙に描かれていますが、幅1mほどの大作も。でもこの作品、部屋の隅で無造作に丸められていました。作品の端も少し日に焼けてる……。思わず、「描いた後はご自身の作品にはあまり執着しないんですか?」と聞いちゃいました。

「破って捨てたのも結構ありますね」

「えー!?」

「うまく焼けなかった作品を割ったりする陶芸家に憧れて(笑)」

「!!!」

せっかく描いた作品なのに!と驚いているうちに、また大作は丸められ、横からお母さんが次々と別の作品を出してきてくれます。
お話を伺っている間にも、用意してくださっていた飲み物やお菓子を食べきれないほど次から次へと持ってきてくれるお母さん。一度話し出したら止まることはなく、水色のワンピースの魅力や、洋裁学校に通っていた昔話をたっぷり語ってくれました(その時そうみさんはこっそり聞き流しモード!笑)。お父さんは、気をつかって別の部屋にいらっしゃると思ったら、どこからともなく扇風機を出してきてくださる優しい方。

そうみさん一家の不思議な魅力に、ぐいぐいと引き込まれていきました。


そうみさんは、幼い頃から絵を描くことが好きで、中学・高校ともに美術部に入っていたそうです。美大に入るために通っていた予備校時代の作品もたくさん見せていただきました。
石膏や人物のデッサン、色彩構成などの作品に紛れて、見たことのあるテレビ番組を描いた絵が!?

一同、思わず「すごーい!」と大爆笑!「小さいときから、『笑っていいとも!』に出るのが夢でした(笑)」とそうみさん。取材されるのにも憧れていたらしく、今日はそれが叶って嬉しいとも言ってくださいました。


自身の作品のことを「絵画というより、イラストレーションだと思っている」と話すそうみさん。作品を見ている間も、「これは子ども服になったらいいな」とか、「絵本のさし絵になったらいい」とお話ししてくださいました。だから、haco!で作品がワンピースになったときも、嬉しく思ってくださったそうです。

記念写真を撮り、取材は終了。

心がほっとすると同時に、改めて自分の仕事についても見つめ直す、学びの多い出会いとなりました。そうみさんの優しさや、おっとりした雰囲気の中に見た、本気で取り組む強さにはっとさせられました。

会社であっても、布団の中であっても、誰かの心を動かす何かをつくり、社会とつながっていく。そんな姿を見たことで、自分にちょうどいいペースで、しあわせな時間を自ら紡いでいくことの大切さを教わった気がしました。

UNICOLARTの商品は、アートとおしゃれをきっかけに、誰もがお互いの個性を認め合い伸ばし合う社会を目指して「つながる」ひとつの方法。そうみさんとの出会いを通して、自分の得意なことやできることを活用しようと、またこれからもUNICOLARTのような活動がどんどん広がっていくお手伝いもしていけたらと、一層思いを強くした日でした。
staff tama

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