BOSSが語る 19年目のLOVE&PEACE PROJECT
LOVE AND PEACE PROJECTみなさまこんにちは。
haco!の生き字引、スタッフ BOSSです。
「生き字引」という言葉を若手スタッフに「知らない」と言われ、諸行無常を感じた昨今です。
お釈迦様は、生老病死にはじまる「四苦八苦」を乗り越えたいと願い悟りの旅に出た、と手塚治虫大先生のブッダに書いてありましたが、まさにそれです。
そんな私ですが、実は、こう見えて、18年前は今より18歳ほど若かったのです。
今日は、10月7日ということで、少しだけ18年前の真面目なお話を。
フェリシモ内の若者プロジェクトのメンバーだった私は、若者向けブランド「NUSY」の立ち上げに携わり、2001年の5月に小さなカタログと合わせてホームページを開設。
ホームページ担当をしておりました。
毎日メールでご注文をいただき、その内容を受注センターに転送したり、お問い合わせにお答えしたり、をしていました。
9月11日。あの事件が起きました。
映画のシーンかと思えるような映像は事実で、戦争を知らない世代である私も、
リアルに世界の破滅をイメージしました。
そして10月7日。18年前の今日。
アメリカを中心とする多国籍軍による、アフガニスタンへの空爆が開始されました。
毎日繰り返される爆撃の映像。
本当に、世界はこれで終わるのかもしれない。
そんな気持ちがありながら、それでも、どこか遠い国で起きている事件であり、
日本でホームページ担当をしている自分には関係ないと思っていた気もします。
そんなときに、お問い合わせとして届いた一通のお客さまからのメール。
そこには、こんなことが書いてありました。
「毎日繰り返し放送される悲惨な映像に心が傷んでいます。NUSYでなんとか出来ませんか?」
「NUSYで」
「なんとか」
「出来ませんか」?????
国連が動いてどうにもならないことを???
ニューヨークからもアフガニスタンからも遠く離れた日本で???
はじまったばかりのファッションブランドが???
出来るわけないでしょう、って言うのは簡単だけど、何か出来ることはあるのかもしれない。
出来ることといったら、服を作る事ぐらい。でも、服を通じて出来ることが、あるのかもしれない。
お客さまも、テレビを見て心を傷めているだけじゃなくて、服を着て、外に出て、出来ることがあるのかもしれない。
すぐにデザイナーさんに相談して、
メッセージTシャツの制作にとりかかりました。
メッセージはもちろん、「LOVE&PEACE」。
大人の事情は複雑で、どちらにも譲れないことがあって、お金があったり、力があったり、その時に強いからといって、
どちらが正しいとか、正しくないとか、一概には決められない。
でも、ひとつだけ確実なことがあって、
こどもの未来を奪う権利だけは、どんな大人にも無いはずで。
こどもの未来を奪う事に対して反対する事は、どちらに味方しているとかじゃないはずで。
その事を胸に背負って(胸に背負うって変だけど)
発信する事で何かが変わるのかもしれない、とホームページを通じてお客さまに問いかけ、
デザイン投票を通じてみなさまからの意見を伺い、出来上がったメッセージのデザインがこちらです。
Tシャツ工場さんは休日返上で生産してくれました。
大手の新聞さんも雑誌さんも、なるべく多くの人に伝わるように、力を貸してくれました。
このTシャツは、1年で70,000人もの方にご購入いただき、2,100万円もの基金が集まり、ニューヨーク、アフガニスタン両方の、親を失ったこどもたちのもとに届けられました。
翌年の9.11には、購入いただいたみなさまに「みんなでTシャツを着ましょう」、とお手紙を送り、日本中でみんなが同じTシャツを着た写真を送っていただき(デジカメなんてまだ無い時代)、写真集を発刊することも出来ました
みんな、出来ることをしただけだけど、その力がつながると少しだけ、未来は変わるのかもしれない。
それからのストーリーは、こちらにまとめてあります
https://continew.haco.jp/projects/love-and-peace-project
フェリシモ社長の本にも書かれていますね
昨年から、ふたたびアフガニスタンの支援を開始することが出来ました。
今年は、愛と平和を叫ぶサンボマスターさんとTシャツを作ることが出来ました。
アフガニスタンには、まだ日本人旅行者は入ることが出来ません。
なのですが、アフガニスタンの北にある、タジキスタンに行くことが出来ました。
この写真は、今年の9.11にタジキスタン側からアフガニスタン側を向いて撮った写真です。
背中の向こうの方にアフガニスタンがあります。
haco!スタッフのみんなも、2001年って小さい頃の話なんですって。
でも、あのとき小さかったこの子たちも、
愛だの恋だのしながら大きくなって愛と平和を叫んでくれています。
世の中って、難しいことがたくさんあって、どうしてもすぐに解決できないし、
大きな力には、いつだって負けそうになりますが。
自分の事として考えて、
少しずつ、一歩ずつ、ひとりずつ、
小さな力を合わせて、時間をかけていけば、
少なくとも、何もしなかった未来よりは、何かが変わるのかもしれないなあ、と、
18年かけてはじめて「スタン」に上陸できたラブアンドピースTシャツを見て思いました。
haco!はお客さまと一緒に、
いろいろな問題に向き合って、
少しずつ、今日より明日がハッピーになるような、
そんなものでありつづけられたらいいなあ、と
昔若かったおじさんは、毎日四苦八苦しながらも思うのでありました。
世界はそれを、愛と呼ぶんだなあ。
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