ひでや工房さんの浴衣はなんでこんなに素敵なんですか?
拝啓、背景さま。haco!スタッフモコトです。
え?夏祭りも花火大会もないのに浴衣?!
そうなんです、だからこそ、今浴衣なんです!
1年くらいならまだしも、もう2年も楽しいイベントがないなんて。
寂しすぎるから、今年はみんなで浴衣を着ませんか?
そんなわけで、今年もhaco! では変わらず浴衣を販売します。
毎年haco! でお世話になっている京都の浴衣屋さん、ひでや工房さんが心を込めて作っている新しいデザインの素敵な浴衣たち。
今年も相変わらず最高にかわいく仕上がってます!
正直、即決できないお値段です。
けど、それでも自信を持ってオススメできる浴衣なんです。
そう思うのはきっと、私たちスタッフは作っているひでやさんのことを知っているからだ!というわけで、ひでやさんの魅力をご紹介すべく、改めてインタビューしてきました。
まずは井上ひでやさんについて。
元々は高級呉服を扱う商社で働く商社マン。50歳で独立してひでや工房を設立、現在77歳!
(えー!50歳でってことは私たちもこれからこんなことできる可能性があるってことか!とざわつくモコト&もじゃまき)
元々好きだった「デザイン」と数十年の呉服の知識や経験が合わさってできるものたち。
ちなみに、息子さんは1階でお蕎麦屋さんをされていて、(これがまた浴衣に負けず劣らずすごいクオリティー!美味しすぎます。)夜営業していた時は自分の仕事が終わった後お店を手伝っていたというタフっぷりなんですよ笑。
そんなひでやさんに、浴衣の生地ができるまでについて聞いてきました。
モコト「一番最初どうやって考え始めるんですか?どんな柄にしようとか」
ひでや「たとえば、これとか。
これはね、ヒントはね。僕、麻雀が好きやないですか(笑)」
一同「笑笑笑」
ひでや「好きなんですよ。で、ある日麻雀屋行って、その後喫茶店いったら、こういう服を来てるおばちゃんがいた。ズバリじゃないですよ(笑)お、これおもろい!と思って、そういうのが全部ヒントかなー。この前もテレビ見てて、あのー、これいいなとか思うと、写真撮っとくんやけどね。具体的にどの柄っていうより、パッと惹かれるのは色の組み合わせかなー。そういうことが多いかな」
一同「へぇーーーーーーーーー」
ひでや「あとは、いわゆる、浴衣本とか、今出てる本とかは一切見てないから、そこらはボロボロの木版で、ほどけて、バラバラになってんねんけど、例えば、木版の昭和の初期ごろの本かな。全部ね。」
一同「すごぉおい。へぇええ.
」
ひでや「こういうものをアレンジして、参考資料にしていく。これボロボロですけど。昭和初期の・・・」
おさよ「色とかもかわいい。ずっと見てられる。。」
ありー「色めっちゃかわいい 上品ですね♡」
ひでや「多分ね、昭和の初期ごろって、後々有名な画家になってる人なんかも、絵で飯食えない時代だったから、着物関係の図案とか書いてる人が結構いて、きちっとできてるものが多いんですよね。だから、そっちの本を見てると感動するんよね」
ひでや「このへんの、これは、昔のめいせんっていう着物の、なんか面白いでしょ、これ」
おさよ「へーーーー、すごい、そんなところから着想を!」
ひでや「そういうのと、こういう原本からどう拡大していくかっていうかやなー」
おさよ「ここからどうやって生地になっていくんですか?」
ひでや「これはねー、図案屋さんに図案を描いてもらうんですよ。図案をもとに、おこしてる型やから、僕がそこまで絵を描けないから、こういう形で見てきたイメージを、こういう風に置いて、って言って描いてもらう。それを型におこす。で、それを一回マス見本(色見本のこと)で何色かとって、この色にしようか、とか」
モコト「すごい!このマス見本だけでもかわいい〜!!!」
ひでや「これが例の、今年着せてる 紺地にしてるけどね、今ね。紺はすごくいいと思うんですよ…。」
一同「きれーーい。めっちゃ鮮やか。」
ひでや「クリーム地の方だと人選んでしまうけど、紺地の方だとまだ比較的着やすい。ということで、まーこのへんにしたんやけど。時とともに、こっちのほうがいいと思う時もあるんですよ。それはもう、ずっとありますね。」
おさよ「1年にどれぐらい新柄って出るんですか?」
ひでや「決めてない決めてない。いいなって思ったらやるだけで、無理してやってもねぇ。新しい柄がいいとは限らないし。新しいのがいいんやったら方程式は簡単やん(笑)新しいのでも失敗するやついっぱいあるし。いいなと思ったのがあったらやるっていうだけ。今、こうして遊んでるけど、(↓生地の切れ端をたくさん継ぎ接ぎみたいに貼り付けた浴衣)
何年か後にね、これがヒントで、ほな、これを染めでやろか、とかいうことになってくるんですよ。だいたいね、2,3年後になってくる(笑)僕の経験上。」
ありー「大予言(笑)」
モトコ「何年後かにまた作るかもしれないってこともあるんですね〜。」
ひでや「やから色々こうして提案してちょろちょろ出してくと、反応があるんよね。だいたい分かるやん。」
おさよ「すごい、先を走ってるんですねえ~」
ひでや「いや、こっちは、こんなんやりたいって思ってやってるから。誰かがやってるからとか、人がやってない何かおもろいものないかなとか、そいう不純な発想は絶対だめ。ものづくりを始めるときは。自分がやりたいものをやる、という。やりたいものから始まる発想は全然ちゃうしね。それを大事にしてるかな。だから今出来上がってる本は一切見ないし。逆にいうと、20何年かやってるけど、20年前にやってた柄を今でもやってる。いいと思うものは。そんなもんだと思いますよ。その代わり、色は変化してくから。柄は一緒でも。」
一同「おぉ〜」(心に染みました)
そういえば確かに、ハコとひでやさんとの出会いは実は約17年前。その時はアロハシャツとスカートを作りました。
そしてまさに!この浴衣はこの時のアロハの柄の色違いでした!!!
浴衣を選んだ時は無意識にこれかわいい〜と選んでいたけどあの時のアロハと同じ柄だったとは。
ひでや「次は、売れないかもしれないけど1個でも売れたらめっちゃ嬉しいやつやりましょうよ。全然違うやつ!」
と、さらなる未来へ向けての提案もいただきました。何をやろうかと考えるのが楽しみです!!
続いて、どういう人にどういう浴衣が似合うのか、浴衣選びのコツを教えてもらおうと、ひでやさんに聞いてみるも、「感覚や!」「雰囲気や!」笑。
そう言われるかなと思っていたけど想像通りの回答で笑。
ひでやさんに選んでもらった浴衣を、おかあさんに手伝ってもらって、それぞれ羽織ってみました。(おかあさんがまた、自由なひでやさんをそっとサポートしている感じで素敵なんですよ♡)
おさよ「えー!私これですかー?!自分だったら絶対もっと地味なの選んでしまう!」
と言いながらも嬉しそうに帯を選んでます笑。
haco! で販売予定の浴衣の中から選んでもらうつもりが、枠を超えて奇抜な浴衣を選ばれた私モコト笑。自由なひでやさん。(「もうね〜、自分がこれがいいと思ったやつ無理やり着させるんよ〜」 byおかあさん)
でもすっごくかわいくて、最高に楽しかったです笑。背が低いので、黒や白よりも中間色がいいそうです。(ようやく聞き出した、唯一の選び方ポイント。)
あと感じたのは、自分が好きだなと思うのよりも、少し派手かなっていうくらいの方が案外似合ったりしました。
こっちも着てみていいですか?ともはや、買い物気分のおさよ&ありー。
ちなみに今回のスタッフコーデでは他のスタッフも写真と身長でオススメを選んでもらいました。
「お客さんも選ぶの困ったらいつでも連絡してくれていいよ!相談のるわ!」とひでやさんより。
というわけで、相談窓口も作っちゃいました。
買おうか迷っている方はこちらからどうぞ>>>
やっぱりコロナの影響ってありますか?と聞いてみたら、いつもはスーパーポジティブなひでやさんも「そりゃあるわー。百貨店が閉まるからね、イベントがないわ。1個大きなブランドも閉めてしまったし。いっつもイベントで一緒になるとこ。さすがに2年はきついわ!」とのこと。
今年も変わらず浴衣を売ると決めたことは、ひでやさんのために何か役に立ちたいなんて大それたことではないけれど、ひでやさんが作った浴衣は確実に買った人を元気にしてくれるし、そうしたらひでやさんもきっと元気が出る。こんな時だからこそ、そういう元気の行き来が大切だな〜と思うのでした。
ちなみに今回ご予約いただいたら、ひでやさんオリジナルの浴衣生地を使ったマスクもつけちゃいます♡
いつも見ていて買う勇気が出なかった方も、こんな時だからこそ!今年買ってみるのはいかがでしょう。