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未来へ残していきたいもの、大事にしていきたいものを
どんどん生み出すhaco!のパッションまとめ


LOVE PEACE PIECE 特別対談 YEAHRIGHT!!河村さん
2022.08.01

LOVE PEACE PIECE 特別対談 YEAHRIGHT!!河村さん

LOVE,PEACE,PIECEのプラットフォームになったhaco!。
「わくわくする未来を一緒に作りましょう!好きだ!」とアプローチし、ふたつ返事で引き受けてくれたのは、古着を使用しそれぞれの“違い”をポジティブにリミックスするお洋服ブランド『YEAH RIGHT!!』の河村さん。河村さんとhaco!が一緒にスタートする取り組みってどんなこと?どんな未来が待ってるの?そんなこれからについて、河村さんと、haco!スタッフBOSSの対談を、スタッフおさよの進行でお送りいたします。

――本日はよろしくおねがいいたします!
まずは、河村さんが普段取り組まれているお仕事についてご紹介ください。

リメイクの洋服ブランドをやっています、YEAH RIGHT!!(イェーライト)河村です!2005年にYEAH RIGHT!!をスタートさせて、今年で約15年目。毎シーズン、コレクションの発表をしながら洋服を作っています。

YEAH RIGHT!!

河村 慶太

Keita Kawamura
1980年生まれ
文化服装学院卒業後、NOZOMI ISHIGUROアシスタントとして勤める。
2005年井村美智子とともにYEAH RIGHT!!設立。
袖を交換/共有できる”COMMON SLEEVE” 、東京コレクションオフィシャルスケジュールでのランウェイショーや、コットン(和綿)を自分たちで栽培、収穫しTシャツを作る”KNOW COTTON PROJECT”、フォトグラファー東海林広太との写真展やビジュアルブックの刊行、企業・ブランドや個人のワードローブをリメイクする「RE:LIGHT project」など多くのプロジェクトを企画。

陶器ブランド「TALKY(トーキー)」、日用品×デジタルコンテンツを制作する「PEOPLEAP(ピープリープ)」のメンバーとしても活動。
その他、武蔵野美術大学空間演出デザイン学科衣服論特別講師、BSフジのTV番組「ANSWERS」出演など、活動は多岐に渡る。

website:http://www.yeahright.jp/ 
instagram:@yeah_rightii

――もともとお洋服作りをされていて、15年前にご自身のブランドを立ち上げられたんですか?

もともとは自分のブランドをやろう!と考えていたわけではないんですよね。
デザイナーズブランドのアシスタントを3年ほど経験して、ふらふらしてた時に知り合いの古着屋さんから「うちの古着でリメイクしてみてよ!」って言われて。
試しにやってみたら『これは一応自分で作ったんだから、ブランドだな!』ってオリジナルのタグをつけようと。タグって憧れるじゃないですか?(笑)そこで、洋服を作っている最中に見ていたスケボーの映画タイトルを文字ってつけたのがYEAH RIGHT!!のはじまりです。

もうひとりのデザイナーの井村と「本気で2人でコレクションとか作ってみようか」ってなった時に、もう一度ちゃんとブランド名を考えようって話したんだけど、「まぁ“YEAH RIGHT!!”でいっか〜」ってなって今に至ります。

――すべてが軽やかですねー(笑)!

そうですね。こんな話をすると結構ぽかんとされます。
でも、ずっとこんな感じで、ちゃんと決めてやってきたことってあまりないかもしれない(笑)。

前に聞かせてもらった、河村さんがファッション業界を志したきっかけも面白いんですよね!

あはは、そうですね。ぼく「これがやりたい!」よりも「これはやりたくない!」ってことの方が考えやすい性分で。高校3年くらいの時“やりたい!”ってことが全然思いつかなかったんですよ。でも、卒業後の進路を考える時、みんな当然のように大学を選んで、それ以外はない!みたいな感じが嫌で“やりたくない!”だった。
で、たぶん、兄貴が買ってたファッション誌をみてたからかな?あんまり覚えてないんだけど(笑)。大学に行かないならと考えたときに、ファッションの道を考えました。

――“やりたくない!”からたどり着いたことを、何十年も続けられるってすごいことですよね。

実際のお洋服づくりについてももっとお聞きしたいのですが、YEAH RIGHT!!さんのお洋服は、1枚1枚異なる古着を紡いでつくられているんですよね。
古着を見つけるところから1着のお洋服になるまで、どんな風に制作されているんですか?

まず古着を見つけるところでいうと、古着自体は“なんでもないもの”を選んでいます。
すごく価値のあるものとか、個性があるユニークなものを使うと面白くはなるんだけど、なんでもないもので作ったYEAH RIGHT!!オリジナルのものって方がやってて面白いから。

あとは、お客さんからなるべくリクエストを聞いて、カラーや柄を選んで作るので、倉庫で1枚1枚古着を選ぶときにお客さんの顔を思い返しながら選ぶかな。で、実際に出来上がってきたものを見ながら「この人にはこれが似合いそうだよね」って考えたりしてお届けしてます。

――材料選びの時からひとりひとりのことを考えていらっしゃるんですね!
すごく愛を感じる裏話!

そういえば、僕がオーダーしたときも、この中からだとどれがいい?と聞いてくれて、さんざん悩んだうえで「これかな、、、」と言ったら「それ、選ぶと思ってた!」って言ってくれますもんね。

――YEAH RIGHT!!さんとhaco!とのご縁は随分昔からだとお聞きしましたが、出会いのきっかけはなんだったのでしょうか?

実は出会いはhaco!がまだカタログだった時代に遡るんだよね。
きっかけは、東日本大震災のあとに立ち上がった“東北のお母さんプロジェクト”。
震災前までは漁師町でバリバリ仕事をしていたお母さんたちが、急に仮設住宅で暮らすことになって、元気を出すことが難しくなっていた。そんな現実を知った知り合いが「彼女たちに活力が湧くことを考えたい」と思って、何か出来ないか、と僕に声をかけてくれました。
それで、今すぐに何かを提供できるとしたら、既にある在庫しかなかったんだけど、haco.にあるお洋服に何か手を施す仕事をお願いするのはどうか?と思いたって、河村さんに声をかけたのがはじめかな。

あの時、個人として寄付はできるけど、ブランドとして何かをするとなるとどうしていいかわからなくてもどかしさがあったんですよね。
内容も自分たちに沿った「リメイク」という提案をくれたので、実際に現地に行ってお母さんたちとも話をして、何かしらの貢献ができたという意味ではとってもありがたかったです。

はじめて河村さんと井村さんに出会ったら、コレクションも発表している立派なファッションブランドだった(笑)。でも、こういう軽やかだけど実直な人達だから、そのあともhaco.のことを気にかけてくれて。当時スタッフiyuが立ち上げたhaco.の「pilvee (ピルヴィー)」っていうカテゴリーの商品の一部をYEAH RIGHT!!にデザイン監修してもらってましたね。

――そんな長いお付き合いの中で、今回オンラインのhaco! になって改めてご一緒させて頂くことになりました。きっかけは、BOSSの「好きだ!」というラブコールからでしたがどういった想いでお声がけしたのでしょう?

haco!がLOVE PEACE PIECEのスローガンを掲げる少し前から、アパレルでは大量生産大量廃棄の問題がクローズアップされていて。もちろんhaco!ではそうならないように努力して頑張ってはいたけど、どうしてそういう事になってしまうのかな?と考えて「今日着たい服を考えて生産して販売して、売り切れたら急いで追加生産して」という流れで動いてるブランドと、「展示会で半年先のコレクションを発表して、予約がついた分だけ生産し販売」する、いわゆる“コレクションブランド”の違いを調べてたんだよね。そこで河村さんの顔が浮かんで、YEAH RIGHT!!ってそのどこにも属さないような異色なブランドで面白いなって思った。

とりあえず月1回食事をしながら色々話をして「なんか一緒にしようよ」って言ってたよね。
気持ちのうえでは、ほぼ付き合ってるような気持ちなんだけどまだ好きってちゃんと伝えきれていない感じがあったから、いよいよちゃんと企画書を作って「好きだ!俺たちと付き合ってくれ!」って告白したんだよ(笑)。

お酒を飲んでたから、いつ何が始まったかほとんど覚えてないけどね(笑)。
具体的に企画書で提案もらうよりも前の、飲みに行き始めたときから僕はもう付き合ってると思ってましたよ。言ってなかったけど(笑)。

――まずお取り組みの一歩目として、5月にPOP STEP UPを開催しました。
いままさにオーダーがついたお洋服を制作中かと思うのですが、あのときhaco!と踏み出した一歩目に感じられたことはありますか?

実は今まではどうしてもWEBオーダーに前向きじゃなかったんですよね。
古着を使っていると1つ1つ出来上がるものが違うから説明が難しいし、あとは今ってWEBオーダーの全盛期だから、逆に“やりたくない”精神もあって(笑)。
でも、今回やってみてもいいかなと思ったのは、haco!スタッフの伝える力や、お客さんとのコミュニケーションでちゃんと表現したいことが伝わるサイトだと思ったから。
きっと普段の客層も価格帯も異なるけれど、この人たちが紹介してくれたらもしかしたら伝わるんじゃないかなと思った。

で、実際にやってみたら商品を着倒し、アトリエで写真を撮りまくり、どこまでやるんだ!ってぐらいぼくたちブランドに入り込んでくれて(笑)。実際の写真や紹介の仕方にもすごく熱意を感じて嬉しかったですね。

――嬉しい!きっとお客さまにも伝わっていると思っています!
POP STEP UPの時にお洋服を手に取れなくても、YEAH RIGHT!!というブランドを心に留めてくださったお客さまもたくさんいらっしゃると思います。

――次なるお取り組みとして、この度「YEAH RIGHT!! 公式偽物」をhaco!から発売することになりました。
YEAH RIGHT!!監修の元、ほぼYEAH RIGHT!!のデザインでhaco! がお洋服を作るという、嘘みたいな本当の企画ですよね。

こちらも、BOSSの「YEAH RIGHT!!さんの素敵な服をもっとスタッフのみんなに着てほしい!着ればわかる!でも、1点ものだから値段もそれ相応で、なかなか沢山買えないのもわかる。だから、河村さんうちでリビルドさせてくれませんか?」という熱いアプローチからでしたね。

「公式な偽物を作らせてください」なんて言われたのははじめてのことだったので、びっくりしすぎて「はい」って言っちゃったような気がします(笑)。

――もともと「公式じゃない偽物」はあったんですか?

うん。ファッション業界でいうパクり問題は大きく取り上げられることもあるけど、著作権が取りにくいっていうのもあるんですよね。
デザインが誰のものかっていうのは、よりどころが難しいから、グレーゾーンってのが一般的。
うちも古着を使っているから、もちろんニュアンス的に近いと思うところはあるんだけど、完全にオリジナルってどこからどこまでなんだろうっていう思いもあって。

きっかけは、フリマアプリで「YEAH RIGHT!!のハッシュタグがついた、YEAH RIGHT!!じゃないものが売ってるんだよね」って話。河村さんがネガティブでもポジティブでもない、楽しんでいる感じで面白かったんだよね。
でも事実として、デザインした人とは全く関係ないところで誰かが儲けていることになっている。それなら、ブランド自身が認定している本物じゃないもの、っていうのを作るのはどうだと思って。
だってYEAH RIGHT!!のハッシュタグがついているなら、ちゃんとブランドにお金が入る仕組みがあった方がいいに決まってるでしょ? YEAH RIGHT!!ぽい服としての代金をもらうべきだと思ったんだよ。

でも実際動いてみて、これがどうなるのか、ぼくもまだ全然わかんないんですよね(笑)。
それはポジティブな意味で、ぼくにとって“みんながわかること”ってさっきの“やりたくない”に近い感覚だから。リメイクも同じで、どうなるかわからないから面白い。

だから、このプロジェクトもよくわかんないことがたくさんあって、それがすごく楽しい!
公式な偽物を作るうえでどこからどこまでをYEAH RIGHT!!がやって、haco! は何をするのか?とか、あいまいなパワーバランスみたいなのもわからないままやってるのもイイ。
本当にコレクションで作ってるような感じがちゃんと近づいてきてるなーって感じもするし、実際結構一緒じゃん!ともなったしね。今までにない脳みそをすごく使ってる気がして、打ち合わせのあと、haoc!事務所を出ると味わったことのない疲労感を感じました(笑)。

――実際に出来上がってきたものを見て、このお洋服をどういう人が着て、どう感じて欲しいと思いましたか?

あんまりわかんないんだよね〜。
一生懸命洋服を作るんだけど、これを誰に着てほしいとかどんなふうに着てほしいとかはいつもあんまり介入しない感じだからそこは考えないんですよね。
いつも「へ~!」って感じ。
自分のブランドの服も着てくれてる人を見て「へ~!」って思う。

――「へ~!」は結構テンション上がってる状態なんですか?(笑)

そうだよ!すごく上がってる「へ~!!」(笑)。
わからないっていうのは知りたくないわけではなくて、どんな人が着てくれているのかは知りたいから、haco!のお客さんが着ているのも是非見てみたい!

河村さんってさ、めちゃくちゃクールな感じで装っていながら内面にめちゃくちゃ熱い思いが隠されているよね。ツンデレっていうか(笑)。
今ってサスティナブル全盛でいろいろなブランドが「SDGs」って言いながら色々な事に取り組み始めているけど、河村さんはそのずっとずっと前からリメイクだったり、パートナーシップだったりコレボレーションに取り組んでいて。その思いがYEAH RIGHT!!のブランドの枠を超えて溢れているような活動もやってるんですよね。あの、ブランドの枠を超えて袖を取り替えれるようにしてたプロジェクトとか、まじでびっくりしたんだけど!

ツンデレかな(笑)。活動でいうと、いまは主に3つ進めていて。
ひとつめは「COMON SLEEVE(コモンスリーブ)」。
これは2012年ごろから始めた袖を付け替えられるお洋服のプロジェクト。

リメイク中に『Gジャンの袖をトレンチコートにしようか、スウェットにしようかって、お客さんが選べた方が楽しいじゃん!』と思って始めたんだけど、今は知り合いのブランドにも賛同してもらって、COMON SLEEVEが採用されているアイテムを買ったら、色々な袖に付け替えられるような仕組みを作りました。

ふたつめは「TALKY(トーキー)」。
これは2008年ごろからYEAH RIGHT!!とは別のメンバーでやってる陶器を中心としたプロジェクト。

波佐見焼の窯元の2代目がたまたま同世代で仲が良くて「今までとは別のことをしたい。捨てられるB品をどうにかしたい」っていうことを聞いて、最初は陶器のリメイクから始めたんですよ。
で、みんな音楽とかストリートカルチャーも好きだから、今は伝統とデザインを掛け合わせたスケボーの箸置きとかを企画して販売してますね。

そして最後に、それが派生したみっつめのプロジェクトが「PEOPLEAP(ピープリープ)」 。
レコードの形をした波佐見焼のお皿を作っています。

表面は様々なデザイナーが手掛けたグラフィック、裏面にはQRコードが載っていて、読み込むとテーマに沿ったプレイリストが聞けるってモノ。音楽の流通の仕方に、もうちょっと日常と密接な関わり方があったほうがいいよねっていう想いがあって、日用品から音楽にアクセスできる仕組みを作りました。

モノがゼロから生まれるということ、生まれたモノが流通していくということ、産地の未来や作り手の未来、そして使う人の生活の変化…そんないろいろなことを、軽やかに新しくこなしていく河村さん。
やっぱり好きだ!
河村さんの関わっているプロジェクトを、もっとhaco!のお客さまにもご紹介したいし、会社としても全部ご一緒したいので、また詳しくお話聞かせてください。楽しみだなー!

今回haco!がLOVE,PEACE,PIECEのプラットフォームに生まれ変わる決断をしたなかでそれぞれの言葉の持つ意味が時代や世代によって変わってきていることもわかりました。

河村さんが思われる、それぞれの言葉から感じる意味合いをお聞かせください。

■LOVE
LOVEは、もともと備わっているはずのモノなんだけど、あるとき誰かが“愛”っていうのを概念化したんだと思います。だから、本来はもともとあるものだと思うんだけど、概念化されてからは確認作業のためにあるものなんじゃないかなと。例えば、仕事をしていて『これって愛がこもってるかな?』とか人と接していても『愛を持って接していられてるかな?』と、オプションではなくデフォルトでいられてるかなって。

■PEACE
例えば戦争をしている国のことを思うと、その地域に感情移入して何とかしなきゃって思うんだけど、いまいちリアルじゃなくて、思わないといけないと感じてる自分がいるような気がする。
本当の本当に平和でいてほしいと思える範囲は僕は隣の人くらいなんです。
でも、その隣の人は隣の人の平和を願っていて・・・ってどんどん隣人の平和を願うことが繋がって行くと戦地にも繋がっていくんだと思う。
小学生の頃に湾岸戦争ってのがあってね。戦地から日本に戻って来た子が、戦地にいる友達のことを思って毎日泣いてたの。その時の自分は、戦争とか平和をリアルに感じられなかったんだけど、その子が安心したり平和であってほしいって思った経験があるから、身近な人の平和を願うことがPEACEだなって思う。

■PIECE
古着の端切れとか生地の端切れを思い浮かべますね。
「この、ひとつの端切れから何ができるんだろう」って考えるのが楽しいし、「端切れが複数集まったときにもっとこうしてみたいな」って思うこともあって。それは僕たちでいう古着の端切れでもあるけど、人でもあるし、仕事だったらプロジェクトでもある。
そのひとつひとつのかけらが材料みたいなことで捉えています。
まずは一番小さいかけらから何を作るかってのがスタートですよね。

――ありがとうございます!
最後に、多角的にhaco!とお取り組みを進めてくださる中で、河村さんが今後LOVE PEACE PIECEのhaco! や株式会社cd.に期待していることはありますか?

やりたいと思っていても、なかなか腰が上がらなかったりすることがある中で、そこをお手伝いしたいって言ってくれるのが嬉しいし本当にありがたいと思っています。
展望は全然ないんですけど(笑)、やってて気づいて動き出すことみたいなことがあるので、自分たちのベースもありつつ、一緒にやることで進んでいくプロジェクトも生まれるとおもう。
ピースがはまっていくようなイメージですね!今はそれをすごく感じています。

――ありがとうございました!
私たちも、YEAH RIGHT!!さんのお洋服や河村さんのように、軽やかでいて誠実に。
イェーイ!RIGHT!!と認め合って過ごせる世の中を作っていきたいと思います。

これからのYEAH RIGHT!!さんとhaco!の取り組みに是非ご期待ください!